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ライフサイエンス
2019/10/30

未来へ向けての展望

  • 未来都市

健康領域ユニットは、「健康」をキーワードにさまざまな研究を行っているチームです。2019年2月19日、これまでの活動状況の振り返りや今後の展望をテーマに、ユニットメンバーによる座談会が開かれました。その様子を3回にわたってレポートします。
第3回目は、健康領域ユニットの今後の展望についてです。

健康領域座談会の様子

左から久保教授、早坂教授、末繁講師、柴田教授

未来都市研究機構:健康領域ユニットメンバー
柴田 随道 教授(知識工学部)
早坂 信哉 教授(人間科学部)
久保 哲也 教授(共通教育部)
末繁 雄一 講師(都市生活学部)

柴田教授
長年、通信キャリアの研究所で、通信インフラのシステムやデバイスの研究開発を行ってきました。固定電話を全世帯に行きわたらせる時代からインフラ構築の仕事に取り組んできましたが、昨今はブロードバンドネットワークが拡大し、地球の裏側でも瞬時につながることができます。通信コストも下がり、通話だけでなく、データや画像・動画なども自由に見ることができるようになりました。現在は人や情報だけでなくモノとモノとがつながるIoTの時代です。その技術やネットワークの利用方法も一般に広く普及しています。
さらに、今多くの人たちがIoTとAI(人工知能)を組み合わせ、機械学習やディープラーニングを進めることで物事を推測したり予測したりできるAIの実現を目指しています。またIoTの技術のひとつに複数のセンサーで情報を収集・分析して知識化する「センサーネットワーク」がありますが、人の行動をセンシングすることで、将来的に人の行動パターンを予測することはできないかといった研究も進んでいます。

末繁講師
柴田先生のお話を受けて、自由が丘での実証実験では施設側にセンサーをつけましたが、次のフェーズではセンサーを身につけることで、たとえば赤ちゃんの泣き方によって欲求していることが分かるなど、人の行動を予測することを目指したいですね。「人間と都市」でいうと、現在は都市の方にしかセンサーはついていません。都市においては、センサーネットワークを使って街のインフラや生理的に必要な場所の情報がアプリなどで分かるようになってきました。実際の実験でも成功しています。今度は人間側にセンサーをつけて、疲れを感じたら休憩場所を、授乳が必要なときには授乳室を案内できるような、そんなところまでうまくナビゲーションできるシステムを構築したいです。

健康領域座談会の様子

早坂教授
お年寄りや赤ちゃんにウエアラブルウォッチのようなものを身に着けてもらうのはハードルが高そうなので、「hitoe」のような服に簡単に取り付けられるようなものが、もしかしたら良いかもしれませんね。

久保教授
私の研究における究極の目標は、スマホで生体運動情報を取得して、未病対策に活かすことです。熱中症の症状は顔色や唇の色に現れますが、その前段階で、たとえばスマホの画面に吐く息で危険度などが分かれば熱中症を防げるかもしれません。さらに水分を補うための自動販売機や空いている喫茶店まで案内できれば、画期的なサービスになるでしょう。運動情報でも、GPSなどで移動距離を測って休憩のタイミングを知らせたり、心拍数が高い、不整脈が現れているなどと注意を促したり。万が一倒れたとしても、警報音が鳴って周りの人がハッと気づくようなものが開発できれば、高齢者でもより安心して街に出掛けられるようになるはずです。
生体情報の活用は難易度が高いですが、早坂先生に医師の知見からアドバイスをいただきつつセンシングによる生体情報の取得に力を入れて、柴田先生がデータ分析を行い、末繁先生が実際に街におろしていくという流れで、チーム一体となって研究を進めていけたらと思っています。

健康領域座談会の様子

早坂教授
ウエアラブルデバイスを使ったセンシングの良さは簡単にデータを取れること。逆にいうと精度は落ちてきますが、それはそれで研究手法のひとつです。今までは例えば入浴の医学研究では40~50人の採血をして集めるといった大変なものでしたが、デバイスを使うことで最低限の情報が取れます。被験者の数をたくさん集められるのはメリットですし、恐らくこれまでの実験的な研究とは違うアプローチになるはずです。
また生理情報のコメント精査など、医師でなければ言えないこともたくさんあります。医師の目線でチェックすることも大事なことでしょう。

柴田教授
人の行動パターンはもちろん、物事の将来を予測することは難しいことですが、サイバーの世界ではそれに近いことを実現するための研究が盛んです。「サイバーフィジカルシステム」といって、フィジカルな世界(リアルな世界)の情報をサイバーの世界(クラウドネットワーク)に蓄積し、AIで分類・分析した結果をもとに推論・予測して実世界に役立てるシステムで、実際に産業効率化や高齢者のサポートなどにも役立てられています。私はこうした技術もユニット内のプロジェクトにどんどん取り入れて、社会が抱える課題解決に活かすことができればと考えています。

健康領域座談会の様子

柴田教授
それから、外部の仲間を交えて意見交換や情報発信を行うことも、我々の活動領域のひとつだと捉えています。それぞれの研究を進めると同時に、セミナーなども積極的に開催して、適宜情報発信を行っていければと思います。

編集部によるまとめ

健康領域ユニットの研究は、人や社会が抱える問題に直接的に関わっています。健康であることは人がいきいきと暮らすのに欠かせない条件です。そして安心して出歩くことのできる街は、健康的な生活を営む上で大切な要素であるといえるでしょう。健康領域の活動によって、魅力ある未来都市が実現することを期待します。

健康領域のメンバー

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