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建築・土木
2020/12/26

インフラ領域における3年間「 営みを維持し、尽きない欲求を、インフラは満たしていく」

  • 未来都市

3回にわたって紹介してきたインフラ領域の取り組みですが、最終回は未来都市研究機構副機構長の丸山收 建築都市デザイン学部 教授と、前2回に登場いただいた関屋英彦 建築都市デザイン学部 准教授、三上貴仁 建築都市デザイン学部 准教授による座談会です。研究に対する思いや今後の展望などを、ざっくばらんに語っていただきました。
(取材は、2020年2月26日に実施しました。)

第1回の記事はこちらです。
第2回の記事はこちらです。

都市の“体調”を、いつでも把握できるように

丸山教授
インフラ領域は、構造工学、地震工学、非破壊検査、維持管理、防災・減災、自然災害など、さまざまなアプローチから都市の問題を抽出して取り組んでいます。もともと関屋先生が「橋梁」に着目したきっかけはなんでしたか?

関屋准教授
鋼橋に生じる疲労損傷は、落橋に繋がる恐れのある危険な損傷です。橋梁が落橋した場合、その復旧にかかる費用も膨大なため、効果的に維持管理できるシステムが求められていると考えたのです。

丸山教授
構造工学の立場からエクスキューズを入れると、構造物はどのぐらいの負荷がかかるのか計算して設計しています。それが崩落するのは、必ずしも人為的なミスや欠陥ではなく、想定以上の負荷がかかり続けた結果、限界を上回るダメージを受けることがあるからです。実際、高速道路は積載物を含め25tまでという規定がありますが、守られていないことも多いですからね。

関屋英彦准教授

関屋准教授
橋梁への負荷は、車両重量の3乗に比例します。車両重量が5倍になると、橋梁にかかる負荷は5の3乗=125倍にも及びます。橋梁にセンサを設置し、橋梁上を走行する車両重量を推定するシステムを構築しました。この技術により、橋梁のダメージを測ることが可能となります。

丸山教授
実際、どのぐらいの負荷がかかり続ければ、どれほどのダメージを受けるのか、推計することは難しいことです。しかし、リアルタイムにモニタリングしていれば、負荷が集中している箇所がわかります。人間の健康診断と同じで、どこに注意すべきかがわかれば、対処は可能です。そこに、大きな意味があると言えるでしょう。

災害リスク低減の最適解は、一つではない

丸山教授
関屋先生が、経年で進行する現象を扱っているのに対し、三上先生は突発的に起こる災害による現象を扱っていることになります。都市のインフラは、この両方に耐えながら当たり前の生活を保障していかなくてはなりません。三上先生は、災害リスク低減のために、どのようなことをお考えですか?

三上准教授
災害リスクはさまざまな要素を考慮する必要がありますが、次のような式で表される3つの要素の組み合わせとして考えることができます。

災害リスク図

外力とは、災害そのものを指します。元凶を弱められれば、災害リスクが低減するのは明らかです。しかし、被害の大きさは、都市の脆弱性にも比例します。そのため、脆弱性の値を低くすることも、一つの方法となります。また、住民が避難行動を迅速にとることができる、地域に助け合いのコミュニティがあるなど、地域の対応能力が高ければ災害リスクの低減につながります。これは、土地に応じて注力すべき点が異なるはずです。それぞれの災害、場所、地域の事情に則して、組み合わせて取り組む必要があると思います。

三上貴仁准教授

丸山教授
難しいのは、何らかの災害が起こり、構造物の強さの基準を変える宣言が出されても、既存構造物への対策をどうするかです。新しい基準を満足するためには、膨大な費用がかかります。都市はいつも、レジリエンス(柔軟性)、サスティナビリティ(持続可能性)を念頭に考えていかなくてはなりません。

次の“当たり前”を、追い続ける

丸山教授
最後に、今後の抱負をお聞かせください。

丸山收教授

関屋准教授
センサによるモニタリングの成果が出たので、次はシステム開発を実装していくステージになります。人間の目で判断している劣化を、信号処理で判断できるようにしていきたいと考えています。

三上准教授
災害が起こるメカニズムについて、知見が蓄積してきました。それらを活用し、その土地の将来的な人口構成なども鑑みて、起こりうる災害やそれに対する具体的な備えを提案していければと思います。

丸山教授
ありがとうございます。お2人の研究成果は、私たちが暮らす都市インフラの“当たり前の安全”を支えるものになっていくでしょう。生活様式の変化に伴い,都市機能の利便性に対して様々な要求が出てくるでしょう。さまざまな要素が絡み合い、生き物のように発達していく都市。その根幹を支えているインフラをいかに維持し、高度な要求に答えていくのか。私たちはこれからも追究を続けます。

未来都市研究機構インフラ領域座談会

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