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環境・エネルギー
2021/01/16

グリーンインフラの使命 第2回「実証される緑地の力 ~鉄道空間のケース~」

  • 未来都市

環境領域は、都市環境改善、防災・減災、健康・レクリエーションなど広範な分野で、多岐にわたる研究が進められています。第2回では、そのケーススタディの一例として、鉄道空間の緑化に関する研究をご紹介します。飯島健太郎 環境学部 教授より、この3年間の研究成果についてお話しいただきました。

第1回の記事はこちらです。

実際の鉄道営業線において軌道緑化の共同研究に挑む

日本の都市部の緑地化は、2000年に屋上緑化に関する条例が施行され、一気に浸透しました。都市のヒートアイランド対策として、一番空いている土地としてビルの屋上の活用が考えられたのです。屋上の面積が1,000平米以上の民間企業や、250平米以上の公共機関の建物は、その20%または25%以上に緑地を置くことが義務づけられています。

このほか、都市では建物の壁面緑化なども進み、技術開発も盛んに行われています。次の一手として、さらに都市に緑を増やすことができないかと考えた時に、着目したのが鉄道空間でした。

鉄道の線路は、大部分が砂利敷のバラスト軌道です。それ以外は、コンクリートに直接線路を固定したスラブ軌道が主流となっています。砂利もスラブも蓄熱体のため、夏場は50℃~60℃にもなります。ここを緑地化すれば、地球の熱環境の悪化を防ぐことにもつながります。具体的には、線路と車体の間の空間を植物が育つスペースとして活用しようというものです。東京都市大学は、2018年から東京都交通局と共同研究を行っています。

軌道緑化は、すでにヨーロッパの路面電車で取り組まれています。それは芝生を用いたものでした。しかし、芝生が育つにはたくさんの水が必要です。特に夏場は毎日水やりが必要となり、それも終電から始発までの間に行わなければなりません。

また、芝生は手入れが必要です。草丈が伸び過ぎると電車の車輪などに絡んで事故につながる可能性があるからです。このように、芝生による緑化はメンテナンスに大きな労力とコストがかかるのがネックでした。これらの課題を解消することが、この研究のチャレンジでした。

飯島 健太郎 教授

都電荒川線で実証実験。セダムが環境に豊かさを生んだ

軌道に植物を敷設するには、深いプランターではなく、薄いトレーのようなものを使わなければなりません。また、水やりも頻繁には行えないため、自然の雨だけで育つ必要がありました。さらに草丈が伸びると手入れが必要になるので、走行中の車両に触れないように、ある程度で成長が止まるものが望ましいと考えました。

その条件に合う植物として選んだものの1つが、セダムの一種です。中でも海辺や山地の岩場という過酷な環境で育つ種を選びました。これなら条件が厳しい軌道でも耐えられる可能性が高いためです。草丈も肥沃な土壌でなければ、20cmほどでとどまります。また、セダムは4月から5月にかけて黄色や白い花が咲きます。花の蜜を求めて蝶も訪れるでしょう。これによって季節の移ろいのある、彩り豊かな景観となるはずです。

私たちは、2018年3月から2020年3月にかけて、都電荒川線で実証実験を行いました。具体的には、軌道内の3カ所、計約430平米に、平らなユニットに植えたセダムを敷設し、いくつかのポイントを検証しました。まず1つは、熱環境の改善について。地上面、地上面から10cm、地上面から30cmに温度計を設置して温度を計測し、セダムを敷設していない箇所と比較しました。その結果、一定の冷却効果が認められ、軌道緑化には周辺の冷却効果があると確認されました。

また、生物の生息調査も実施しました。砂利だけの場合は、一部のダニや小型のクモしか生息が確認できませんでしたが、セダムを敷設したことで、アゲハなど飛来昆虫に多様性が見られるようになり、土壌にも多足動物が認められました。これにより、軌道が近隣の生態系から次の地域の生態系へと、ネットワークをつなぐ役割を果たせることが立証されました。

セダムの生育評価も実施しました。さまざまな日照環境の区間や停留場などで生育調査しましたが、こちらも良好な結果が得られています。実証実験は大きな成果を得ることができました。

緑地には複合的な機能があります。軌道周辺の冷却効果はもちろんですが、周辺の地域の方の癒やしとなり、運転手のストレス緩和の役割も期待できます。また、緑地のある鉄道網は、大規模な火災発生時に火を避けて逃げられる避難路としても有効でしょう。この結果をもとに、実用化が期待されるところです。

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