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ライフサイエンス
2018/05/20

ユニバーサルデザインで都市生活を考える

  • 未来都市

前回のインタビューでは、都市交通としてのバスが抱えている問題について話してくださった西山准教授。今回は、その中でも一部紹介した実証実験「セレクト野菜ネットショップ」プロジェクトがスタートしたきっかけを伺います。このプロジェクトはどのようにして生まれ、実際どのように進められているのでしょうか。

西山 敏樹

「現場の声をきっかけに、農家と消費者の両方を支援」

研究を始めた当初(2012年頃)は、交通事情における買い物難民問題ではなく、農家の高齢化という問題に直面していました。野菜の直売所を調べてみると、朝の8時から9時までの間に、農家の方が自分で車を運転して直売所に運ばなければならない現状があったんです。しかも1カ所だけでは利益につながらないので、だいたい3カ所の直売所に運んでいく。これが農家にとって非常にストレスとなっていました。

さらに直売所が17時に閉店すると、残った野菜を引き取って18時くらいまでには売り場をまっさらな状態にしなければならないところもありました。毎日その作業を繰り返すのは、高齢化する農家の方たちにとって非常に苦しいものであることは想像に難くないでしょう。私たちが最初に取り組んでいた研究は、そういった農家の方を支援するものだったんです。

また頻繁に車で移動を繰り返すことで排ガスの問題も出てきますよね。これをいかにクリーンにするかという点については、行政も頭を悩ませていました。そこで我々は、電気自動車を使って運搬を肩代わりしてあげれば、高齢者の農業をサポートできるのではないかと考えたわけです。
こうして電気自動車での運搬サポート・検証実験を進め、運搬の適正値段の評価研究やヒアリングをしていくうちに、今度は野菜を買いに来ている人たちから「私たちも支援してほしい」という声が聞こえるようになってきたんです。

西山 敏樹

農家を支援するのも大事だけれど、買うのにも苦労している人が想像以上に多いということが見えてきました。こうしてJAと現場で何回も勉強会を進めていくうちにどんどん市民の声も高まってきて、農家と消費者の両方を支援することになったんです。

「物流システムとユニバーサルデザインを融合して」

実際に現場で生活している方々の声を聞きながら現状を把握し、改善するための技術を素早く提供していけるのは、都市研究を重ねる東京都市大学ならではの強みでもあります。

我々が購入者の方に提案したのは、自宅にいながら簡単に野菜が買えるバーコードシステムです。使い方は、野菜のチラシで、購入したい商品のカラーコード「ロゴQ」をスマートフォンでスキャンするだけ。これで注文から決済まで完結できるシステムです。ロゴQにはクレジットカードの情報も格納出来,セキュリティも高いのです。家から一歩も出ることなく翌日には新鮮な野菜が届きますし、それを運んでくるのは排気ガスを出さないクリーンな電気自動車なので、消費者にも環境にも優しいサービスになっているというわけです。

ロゴQ

「ロゴQ」はカラーで、イラストも描かれています。これもユニバーサルデザインの一環で、西山が共同特許をとっているシステムなんです。日本語がわからない外国人の支援にもなります。この中にはあらゆる情報が格納されていて、マーケティングリサーチにも活用できるようになっています。売れ筋などの傾向がわかってデータベース化されることで、生産者は無駄なく生産ができるようになりますよね。そうすればコストの削減にもつながり、商品の価格が安定するかもしれない。生産者にも消費者にも役立つというわけです。

「品質を保持してプロジェクトを実現させるためには」

このプロジェクトは2012年から取り組み始め、すでに5年ほど経過しています。そして今年から5年以内をめどに実現を目指して頑張っているところですが、インターフェースの問題などの課題もあり、できるだけ早く実現させたいと思います。

近頃はネットスーパーを展開している企業も多いので、そういった企業と協賛するなどの手段も考えられるかもしれませんが、このプロジェクトは普通のネットスーパーとは質が全然違うんです。農家を支援しながら消費者を支援することがプロジェクトの“要”ですから。私たちが保持したい質をきちんと維持しながら、ちゃんと地域で地産地消できるかどうかが勝負だと思います。農家さんにもっと理解をいただいたり、農協の取り組みとして地域全体で協力していただいたりすれば、企業も参入して広がりを見せるのかもしれませんね。そして、都市大のブランド力があがればと思います。

西山 敏樹

世の中をどうより良くしていきたいのか?都市生活を考えるときに最初に必要なのは、誰もが簡単に、そして便利に使えるユニバーサルデザインの“哲学”です。ユニバーサルデザインを軸に「提供する側」と「提供される側」にとってWin-Winの関係性を築けることが大切だと思います。

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