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トピックス
2020/10/10

不確実な未来からアプローチする「町田市未来都市研究2050」の挑戦(第1回)

  • 未来都市

東京都市大学未来都市研究機構と町田市未来づくり研究所は、2050年の町田市について、「シナリオプランニング」という新たな手法を用いて予測する共同研究「町田市未来都市研究 2050」に取り組んでいます。その概要や状況、予測する展望について、座談会形式で伺いました。町田市未来づくり研究所からは、所長の市川宏雄先生(明治大学名誉教授)と担当係長の野田健太郎氏、東京都市大学からは西山敏樹准教授、北見幸一准教授が参加。その模様を3回にわたってご紹介します。

第2回の記事はこちらからご覧いただけます。

第3回の記事はこちらからご覧いただけます。

町田市未来都市研究2050の座談会

30年後はわからないが、考えなくてはならない

北見准教授
まず、「町田市未来都市研究 2050」の概要や狙いについて話していきたいと思います。

市川先生
簡単に説明すると、「30年後の町田市の在り方を考える」という研究です。一般的に、行政が政策をつくるときは現在の状況から予測し、15年から20年後の社会を見ています。現在のように不確実な社会や経済情勢においては、先は分からないのが実情ですが、だからといって思考を停止するわけにはいきません。というのも、今後ますます人口減少や人口構造の変化に伴って、生活関連サービス(小売・飲食・娯楽・医療機関等)の縮小、税収減による行政サービスの水準低下、地域コミュニティの機能低下など、さまざまな問題が起こると懸念されているからです。2050年というタイミングは、町田市はもちろん日本にとっても分岐点。深刻な状況になっているかもしれません。未来がどうなるのか分からなくても、考えなければならないのです。

市川先生

市川宏雄 町田市未来づくり研究所所長

複数の未来を想定する「シナリオプランニング」

北見准教授
今回用いる「シナリオプランニング」という手法について、ご説明願えますか。

市川先生
未来の不確実性を前提として、複数の未来を想定したシナリオを作成し、シナリオに応じた都市戦略を描き出すという手法です。これによって、テクノロジーの進化を見据えた2050年の町田市の都市像を研究していきます。

北見准教授
現状からではなく、未来から考えるというわけですね。

市川先生
そうです。複数のシナリオは、主要なテーマをいくつか考え、それらに対して「とても楽観」「とても悲観」、そして「その中間」をどこに置くか、などとバリエーションを設けます。さらに、それらをもとにして個別の政策課題とその解決策を考えていきます。このような手法は行政ではあまり行ってきていません。

野田氏
私たち自治体は、これまで過去のデータや実績から導かれるトレンドに基づいて未来を予測し、必要な対応策を考えるという「フォアキャスティング的手法」を採ることがほとんどでした。シナリオプランニングは取り組んでいる自治体がほとんどなく、私たちにもまとまったノウハウがありません。そこで、プロポーザルを行ったときに、手を上げてくださったのが東京都市大学さんでした。

野田氏

野田健太郎 町田市未来づくり研究所担当係長

北見准教授
今回の研究に、東京都市大学として期待するところは?

西山准教授
都市計画というと、積み上げ型で予測する手法がほとんどで、私たちもそのように大学で教えています。しかし、不確実性はこれからの都市計画にとって重要なキーワード。今回のように、何が起こるかわからない未来から、逆に戻って考えるというのは新鮮なアプローチです。それを、実体験で学ぶ貴重な機会として捉えるべきだと思っています。

西山准教授

西山敏樹 東京都市大学 総合研究所 未来都市研究機構 ヒューマン・センタード・デザイン研究ユニット長

「未来」が見えると、「今」を考えられる

北見准教授
未来を考える上で、ポイントにすべきはどういったところでしょうか?

市川先生
全体のフレームから未来を語ることが重要だと思っています。実は、1984~1986年にかけて、対外開放政策を採っていた中国から依頼を受け、日本政府が海南島全体の都市開発に関わったことがありました。私も、専門家20人程で結成された国際協力機構(JICA)の一員として携わり、三亜の観光開発と、海口市という省都の都心部の開発を設計しました。中国は計画経済ですから、普通は人口推計を出すところでも「将来の人口は目標数値にしてほしい」といった特殊な要望があるんですよ。私たちは、それは違うと説明して複数シナリオを作成し、全体のフレームを提案することに留めました。データをどう使うかは、政府の選択だと考えたからです。結果的に、それが功を奏しました。今回の町田市も、オーソドックスに何ができるかを提案することが重要だと思っています。

北見准教授
未来を提示することの意味は、どのようにお考えですか?

北見准教授

北見幸一 東京都市大学 総合研究所 未来都市研究機構 都市マネジメント研究ユニット長

市川先生
未来を語ることで、今のことを人々が考えてもらおうというのが狙いです。町田市の方々にも、町田市未来づくり研究所の取り組みに興味と期待を持っていただけるような提案をしたいと思っています。今回、東京都市大学さんも加わっていただくことで、行政から離れた視点で、バリエーション豊かなシナリオを考えられると期待しています。こういった形式は他の自治体では前例がありませんので、結果が重要です。「こういう方法があったんだ」と納得されるものを出して、モデルとなることを目指しています。

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