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基礎研究
2020/03/05

未来都市におけるライフスタイルはどのように変化していくか?

  • 未来都市

日本社会において進む高齢化や人口減少により、近い将来、都市には様々な問題が発生すると想定されています。また一方ではICTの急速な進化によって、私たちの生活はかつてないほどの大きな変化を遂げつつあります。

都市生活は今後どのように変わっていくのか、「未来都市におけるライフスタイル」をテーマに、未来都市研究機構で生活領域の研究をしている3人の先生方が座談会を開催。その内容を3回に分けてご紹介します。

第1回となる今回は、都市生活者の抱える問題意識に対する調査結果から、今後のライフスタイルの変化を紐解きます。

生活領域担当教諭

東京都市大学:対談プロフェッショナル
<ファシリテーター>
北見幸一 准教授(都市生活学部)
<コメンテーター>
西山敏樹 准教授(都市生活学部)
橋本倫明 講師(都市生活学部)

「孤」と「個」がますます加速していく

北見准教授
昨年の2月から3月にかけて、我々、未来都市研究機構の生活領域ユニットが10,000人に対して行った「都市生活における生活に関する調査」。その中の「2020年以降に重要な都市問題になると思われるのは?」という設問に対する結果をどのように捉えますか。

都市における生活に関する調査

都市における生活に関する調査

西山准教授
一番上位の、67%の人が問題と感じている「介護する人も高齢者となる」から4位までの項目を見るにつけ、明らかに多くの人が孤独を恐れているということがわかります。これまでの家族とのつながりだけではなく、地域内はもちろん、バーチャル空間までを含めて、どう「孤」、つまり孤独や孤立を防いでいくのかを考える必要がありますね。またこれは同時に個人の「個」でもあるわけで、その対策も考えなければいけません。

米本団地

米本団地

西山准教授が研究/連携している米本団地

橋本講師
上位の項目を見ていると高齢化、下位の方は人手不足や少子化が関係しているように感じます。西山先生のおっしゃったように「孤」と「個」が同居しているような状態ですね。今はスマホをちょっとさわるだけで、家にいながらにして食べ物も用意できるし、買い物もでき、情報を見ることができます。ひとりでも楽しいプライベートを送れますから、若い世代には「個」の問題がかなり出てきているのではないでしょうか。

物流とスマホに頼る社会になったら、物理的な距離感が関係なくなる

北見准教授
こうした問題をふまえて、これから都市生活者のライフスタイルはどのように変化していくと思われますか。

北見准教授

西山准教授
まずは人との付き合い方が変わりますよね。子どもも少なくなって、ひとり暮らしも増える。そこでリアルもしくはバーチャルな世界で、他人と居場所をつくるような環境ができていくでしょう。
あとは、基本的な衣食住の形態が変わってくる。大学時代に先生がよく「人は物と情報と場を得るために移動する」と話していましたが、今後はその「移動」がなくなっていくと思います。スマホ、もしくはバーチャルで物や情報を得られるようになるので、どこかへ行って欲求を満たすということが減っていくでしょう。そして人が場に行かなくなれば、地域経済は大きな影響を受けるはずです。

西山准教授

橋本講師
買い物を例にすると、遠くからでも運んでくれるから、わざわざ近くの商店街や最寄りのスーパーに行く必要もないわけです。物流とスマホに頼る社会になったら、物理的な距離感が関係なくなり、地域経済はなくなる、もしくは地域と言っていた範囲が今までよりも広がるのではないかと思います。

西山准教授
また移動がなくなると時間が浮くのですが、それを何に使うのか。趣味か仕事か。ユニバーサルデザインの研究で付き合いのある高齢者に伺うと、みなさん「働きたい」「社会貢献したい」と言いますね。高齢者が自分のノウハウを活かして起業したり、それを支援したりすることで、おもしろい展開が期待できるかもしれないと感じました。

民間の力を活用して、公共サービスが組み合わさると都市全体が良くなる

北見准教授
企業の立場からでは、どういった視点がありますか。

橋本講師
企業のサービスとライフスタイルの変化は相互作用があって、スマホがあるから個別化・孤立化が進むし、個別化・孤立化しているからスマホが進化します。冷凍食品、シェアリングサービスでも同じことが言えますよね。消費者ニーズの大きな変化に対し、企業は対応せざるをえなくなるし、またはビジネスチャンスでもあるでしょう。そして企業が取り組んでいくことで開発が進み、よりよいサービスが生まれると思います。

橋本講師

北見准教授
都市経営という観点では、どうでしょう。

橋本講師
都市生活の質の向上に対し、ビジネスでできる部分はかなりあると思います。財政的な問題もあって、公共と民間の協力が増えてきていますが、まだまだ足りないですね。とはいえ、介護や福祉、子育の問題は市場に任せるだけは難しいので、基本は民間の力を積極的に活用して、それを支える形で公共サービスがうまく組み合わさると都市全体が良くなるのではないでしょうか。

北見准教授
「自治体や役所がなんとかしてくれる」という意識の人も多かったけれど、これからは変える必要がありますね。

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