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基礎研究
2020/03/15

未来都市にむけたMaaSやシェアリングエコノミーによる変化

  • 未来都市

日本社会において進む高齢化や人口減少により、近い将来、都市には様々な問題が発生すると想定されています。また一方ではICTの急速な進化によって、私たちの生活は、かつてないほどの大きな変化を遂げつつあります。

都市生活は今後どのように変わっていくのか、「未来都市におけるライフスタイル」をテーマに、未来都市研究機構で生活領域の研究をしている3人の先生方が座談会を開催。その内容を3回に分けてご紹介します。

第2回は、研究と実用化への試みが進む「買い物支援システム」「MaaS(マース)」「シェアリングエコノミー」についてのお話を伺います。

生活領域担当教諭

東京都市大学:対談プロフェッショナル
<ファシリテーター>
北見幸一 准教授(都市生活学部)
<コメンテーター>
西山敏樹 准教授(都市生活学部)
橋本倫明 講師(都市生活学部)

より納得のできる時間の使い方が変わっていく

北見准教授
西山先生が研究されている「買い物支援システム」によって、今後ライフスタイルはどのように変化していくと思われますか。

西山准教授
公共交通と商業施設の減少により、買い物に困っている人が増えています。高齢者や障がい者はもちろんですが、子育て中の若いお母さんなども買い物に行く時間がなかなかとれない。買い物支援システムにより出掛けずに済めば、高齢者や障がい者は体力的にも時間的にも余裕ができて、浮いた時間を社会貢献や仕事にあてることができますし、お母さんは仕事や子育てにもっと時間を割くことができます。

北見准教授
つまり時間の使い方が変わるということでしょうか。

北見幸一

西山准教授
もっとご自身で納得のできる時間の使い方をしてもらえるようになるのではないかと思います。以前行った買い物支援システムの研究の際に知ったのですが、東北地方では、お母さんがパートを抜けて、子どもを送って買い物をするのが日常茶飯事でした。もし自動運転車で食材などを届けて、さらにバスとしても利用できれば、パートを抜けることもなくなり、かなりの支援になります。バスで物を運ぶ「客貨混載については宮崎県や岩手県で実証実験が行われていますが、買い物支援をキーワードに研究を広げていくことで、よりよいサービスが生まれていくはずです。

MaaSによって移動の質が変わり、生活の質が向上する

北見准教授
続いては「MaaS(マース)」がライフスタイルに与える影響について教えてください。

西山准教授
MaaSとは「Mobility as a Service」の略で、従来の公共交通よりも質的に満足が高いサービスを考えましょうという、フィンランドで生まれた概念です。今後、人の移動が発生しなくなることで鉄道など交通関連の事業が縮小する可能性があり、サービス性の高い手段を考え始めています。現在、私が参加している東急電鉄との「郊外型MaaS実証実験」は、たまプラーザ駅から渋谷駅まで走るハイグレード通勤バスで、スマホで予約などができます。Wi-Fi、トイレも完備しているので、みなさんゆったりとニュースを見たり、仕事をしたりしています。同時に、たまプラーザ地域では、スマホで呼び出すと行きたいところまで送ってくれるミニバスの運行や、1人乗り用のパーソナルモビリティの貸し出しなどの実験を行っています。

郊外型MaaS実証実験

郊外型MaaS実証実験

一言で表すなら、MaaSによって移動の質が変わり、生活の質が上がるこということです。ライフスタイルの変化はまだこれからですが、移動の時間が有効に使え、同時に高齢者・障がい者支援や子育て支援にもなります。また、地方都市では車がないと生活ができないということでやむを得なく運転をしている人もいますが、こうしたストレスをなくして精神的なゆとりを生むことも可能です。

北見准教授
地方都市の方がより影響が大きくなりそうですね。

西山准教授
たまプラーザの実験は郊外都市型のMaaSですが、今後は観光型のMaaSが盛んになると考えられています。バスを利用して空港や駅からどう観光客を回遊させるか、すでに実験は始まっています。今後は付加価値をつけたレンタカーや自動運転車なども出てくるでしょうし、大都市よりも地方都市こそいい影響があると思いますよ。

オンデマンドバス実証実験でのスマホアプリ

オンデマンドバス実証実験でのスマホアプリ

「共有」や「信頼」に対する価値観が変化してきている

北見准教授
シェアリングエコノミーによるライフスタイルの変化について、聞かせてください。

橋本講師
民泊やUber(ウーバー)といった今あるシェアリングサービスは、これまで誰も想像していなかった新しいサービスではないですよね。みんな「あったらいいな」と思っていたけれどできなかったことが、ICTやIoTによってできるようになったと感じています。これまでの自家用車やタクシー、公共交通に加えてUberがあり、ホテルに加えて民泊がある。ライフスタイルという点でいえば、選択肢が増えて多様化が進むと言えるのではないでしょうか。

橋本 倫明

西山准教授
共有に対する価値観が変わってきたということですよね。これまでは所有することが主流だったのが、ここ10年で「共有って別に悪いことじゃないんだ」というふうに変わってきている。

北見准教授
信頼という点でも価値観が変わってきたように感じます。Uberの場合、知らない人が運転してくれるって怖いじゃないですか。民泊だってどこの誰かわからない人に部屋を貸す、知らない人から借りるのもそうですよね。サービスは信頼があってこそ成り立つものですが、それはどのように担保されるのでしょうか。

橋本講師
それはシェアリングサービスでもかなり難しい部分ですが、評価のメカニズムがそこに影響を与えていると思います。現状としては、利用者が評価して点数をつけ、利用者はそれを見て「信頼できそうだな」と感じている。

北見准教授
評価のメカニズムで、真の意味で質を担保できるかどうかは難しい問題ですね。

西山 敏樹

西山准教授
ソーシャル・キャピタルの考え方でも、一番大事なのは信頼ですよね。信頼がなければ互酬性は生まれない。サイバーの世界でも、信頼性をどうつくっていくかが大事になってくると思います。

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