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ライフサイエンス
2018/07/10

スマートフォンを利用して熱中症対策や安心できる街作りを

  • 未来都市

年齢を問わず、誰もがスマートフォンを持ち歩くようになった近年。スマホを使ったサービスや新しい取り組みも次々に登場しています。
未来都市研究機構では、身近なスマホを利用して熱中症予防や病気になる前の未病を手軽にチェックできるシステムを研究中。体調を管理し、誰もが安心して出歩くことができるような仕組みづくりを進めています。共通教育部 人文・社会科学系の久保哲也教授に、その研究内容についてお話を伺いました。

「誰でも持っている“スマホ”で健康をサポートするシステム」

私が未来都市研究機構で所属しているのは、知識工学部の柴田教授がリーダーを務める「健康領域」のチームです。私の他にも人間科学部の早坂教授、都市生活学部の末繁講師といった異なる分野の先生方が集まっているので、私自身がとても刺激を受けています。月に一度、定期的にユニットの会議を開くのですが、各ジャンルの研究者が集まることで色々な発想を実現することができそうだと感じています。

久保哲也教授

そんな中で私が今手掛けているのが、お年寄りから子どもまで誰でも持っているスマホを利用したものです。運動情報や生体情報などをスマホに取り入れ、その情報をもとにアラーム警告を出したり、車の運転中に「そろそろパーキングエリアで休憩を取りましょう」ということを教えてくれたりするようなシステムを研究しています。

ウェアラブルセンサーや、スマホの中に入っている傾きを感知する機能を利用したシステムも研究中です。例えば、利用者が床に倒れている姿勢が続いたりしばらく動かなかったりすると、センサーからスマホにその情報が送信されて、周りの人に伝わるくらいの音で警告音が鳴る。こういった仕組みがあれば、一人暮らしのお年寄りでも地域住民の方にSOSを知らせることができるでしょう。
また、ウェアラブルセンサーを利用することで毎日の心拍数データを蓄積していき、病院でその情報を参考にして診察できるシステムも考えています。普段の生活ではどの程度の血圧なのか、どの時間帯に血圧が上がっているのか、などより多くのデータがあった方が、医師も判断や診断がしやすいはずです。

「スマホの機能を活用して、あらゆる視点から熱中症対策を」

スマホを利用して、熱中症予防にも有効なシステムができないかと考えています。例えば、レンズの部分に装置を付けて、そこに汗を乗せるとそれに含まれるミネラルを検知してくれるようなもの。体内のミネラル欠乏状態が分かれば、熱中症予防に役立つでしょう。
また、自撮り機能も活用できるのではないかと考えています。熱中症が進むと唇の色が青くなってしまったり、顔色が赤くなったりしますよね。スマホを使った画像診断で、顔色や唇の色、舌の色、瞳孔の開きなどのデータを医療機関に送信し診察してもらうことで、病気の予防や未病に役立てることができればと思っています。

久保哲也教授

さらに、タッチパネルを使ったシステムも考えています。タッチパネルに向かって息を「ハーっ」と吐きかけると、画面が曇りますよね。そのときの広がり具合、呼気などから成分や含有量などを計測し、喉の乾き具合、水分欠乏具合のチェックが可能になればと考えているんです。他にも、タッチパネルを利用して体温の上昇具合が分かったり、皮膚温や肌の乾燥具合などでストレスが分かるといったことも想定しています。ただしこういった生体情報を使ったシステムはアイデア段階なので、まだまだ研究が必要です。

スマホのGPSを利用して、三次元の移動距離や運動量などを測り、それによって「そろそろ休憩が必要ですよ」とか「水分補給をおすすめします」というようなアラートが出るようなサービスも考えています。熱中症予防には水分補給が欠かせませんから、近くにある自販機の場所なども知らせる機能があればいいですよね。GPSなどの位置情報を利用して、時間帯によって日陰の場所を教えてくれるなど、日常生活を送る上でなるべく体にストレスがかからないようにお手伝いできたらいいなと思っています。

「実証実験に向けて、より多くのデータを集めたい」

「健康領域」のチームではまず、自由が丘での実証実験を想定しています。自由が丘の街にはお子さん連れのお母さんがたくさんいらっしゃるので、こういった場所でお役に立てればと思っています。まずは大学内で展開してから、街での実証実験の段階へ。学生に受け入れられるかどうか、一般の方が問題なく使えるか、その情報を受けてまた今度どう利用していくかなど、様々な研究と実験を複合的に行っていきます。

計画は5カ年契約で文科省へ提出しているため、実験の目途は2021年までにはできていなければなりません。現段階ではアイデアレベルのものでも、それまでには何かしらの取り組みができるようにしたいと考えています。

久保哲也教授

生体情報のデータは単純ではありません。人によってはたった1日の中でも変動があって、さらに個人差もありますから、実際に運用できるシステムやサービスを開発するためにはより多くのデータを集めることがとても大切です。まだまだ課題だらけではありますが、できるところから取り組んでいきたいと思っています。

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