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建築・土木
2019/07/30

未来都市研究機構第7回セミナー インフラ領域(第144回総研セミナー) セミナーレポート2

  • 未来都市

2019年3月13日、東京都市大学二子玉川夢キャンパス(東京・世田谷区)にて、「未来都市研究機構 第7回セミナー インフラ領域(第144回総研セミナー)」が開催されました。

未来都市研究機構 第7回セミナー インフラ領域(第144回総研セミナー)

当記事ではインフラの経年劣化に関する発表の1題目である関屋英彦准教授の発表「各種センサ技術によるインフラの維持管理」の続きと、2題目となる白旗弘実教授の「低電力消費データロガー開発と橋梁への適用」、3題目となる丸山收教授の「制御理論を用いた交通荷重の橋梁への荷重効果同定」についてレポートします。

レポート1の記事はこちらからご覧いただけます。

シールドトンネルにおける列車走行時モニタリングを実施

関屋准教授の発表で、最後に紹介されたのはトンネルモニタリングです。トンネルは一般的に地震に強い構造物ですが、地震が起きた際、トンネル上部に背面空洞が存在した場合、トンネル構造に大きなダメージを与える危険性があります。

「事故を起こさないためには、トンネルにセンサを設置して、常時または列車の走行時のモニタリングを通じて、常にトンネルの健全性の評価をすることが重要だと考えています」と関屋准教授。

関屋英彦准教授

測定結果に基づいて、適切な点検・補修・補強を行うことができるほか、列車走行時の変形を考慮した最適な設計が可能になるといいます。今年度実施したFE解析による結果では、背面空洞の有無によって、列車走行時のトンネル変形に違いがあることがわかりました。このことから、トンネルにセンサを取り付けて、列車走行時のトンネル変形を監視することによって、トンネル構造の健全性評価に関して検討を実施しているそうです。2019年2月には、東急電鉄の協力のもと、列車走行時のシールドトンネルの変形挙動計測を実施しました。

背面空洞の有無による発生応力の比較

背面空洞の有無による発生応力の比較

関屋准教授は、「私の研究では、橋梁やトンネルに外力がかかる時の応答を計測することを大事にしています。列車や車が走る際の構造物の応答を通じ、インフラ構造物の健全性を評価する手法を検討していきます」と発表を結びました。

低予算で簡易な、低電力モニタリングシステムの開発

2題目は白旗弘実教授の「低電力消費データロガー開発と橋梁への適用」です。白旗教授が研究開発を行っている「落橋検知のための低電力モニタリング装置」について発表がありました。

白旗弘実教授

橋梁モニタリングの研究には「経年劣化の進行の監視」と「災害時の異常時における異状の検知」の2つがあります。経年劣化の進行の監視を目的とした場合はほぼ常時の測定となり、その結果システムが複雑で高価になり、電力消費が大きく、データの保存が大変という課題があるといいます。一方で、災害時の異常時における異状の検知であれば、データ収集間隔の設定に難しさはあるものの、システムを簡易で廉価なものにすることができ、電力消費も比較的少なく抑えられるというメリットがあります。今回発表される研究は後者のものです。
「比較的小さい地方公共団体は検査する人員や予算が十分でない場合が多く、簡易で低価格なシステムが求められている」と白旗教授はいいます。

システムは、センサ、データ収集ノード、通信、サーバーの4つから構成され、サーバーとデータ収集ノードは無線で通信することで配線を大きく簡略化できます。

白旗弘実教授

センサとして橋台に反射板などを取り付け、桁と橋台の距離が保たれているかを判定する「測距センサ」、橋桁の傾斜を判定する「加速度センサ」、桁の状況を撮影する「シリアルカメラ」の3種類を作成、どれも3V程度の低電力です。

次年度には「電源供給装置の開発と試用、データ収集サーバーの見直しなどに取り組みたい」とのことでした。

効率的な維持管理のために、劣化損傷のリスクを予測する

3題目は未来都市研究機構の副機構長であり、工学部の丸山收教授の発表「制御理論を用いた交通荷重の橋梁への荷重効果同定」です。

丸山收教授

「橋梁の損傷劣化を引き起こす一番の原因は交通荷重です。劣化は10年20年という長いスパンで引き起こされるもの。現在日本には50〜60年前の高度成長期に作られた橋梁が多くありますが、こうしたものをどう延命させていくかが重要で、私たちインフラ領域の大きな課題となっています」と丸山教授。

丸山教授の研究では、橋梁の上を車が走行した際に、どういう力で梁を押しているのかを現代制御理論を使って推定することを目的としています。梁の振動方程式を制御理論に基づき定式化、加速度を観測する式を表現することで、MEMSセンサで測定した加速度から、どういう状態で梁上の任意点を押しているかを推定できます。さらに実際に25tトラックを橋梁で走らせた時の観測データを用いて、今回の手法の有用性を検討しました。

丸山收教授

「こうしてわかった荷重パターンと劣化のメカニズムと加え合わせると、ある程度ですが、将来どのあたりに危なくなるのかを予測できる式と結びつけることができます。効率的な維持管理計画を立てる上では、ある程度精度良く将来のリスクを推定することが必要ではと思い、こういった研究をしております」と丸山教授は発表を締めくくりました。

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